○○と、僕

日々思うことのつらつらぶろぐ

マニアと、僕

テレビっ子だった自分はアニメや音楽を見聞きする事は多かったものの、何か一つに対し没入する事の少なかった子供だった。だから、僕の中でマニア所謂『ヲタク』と称される人への想いが人一倍強い。それは毛嫌いしているとか偏見ではなく、尊敬と言う想い。

 

漫画は皆が見てるから見てた感覚だったし、第一漫画でいつも苦戦していたのが
「ギュィーン!」「バァーーン!」などの擬音。漫画を読んで擬音が出ると
”どんな高さのギュィーンなんやろ”
”何が何に対してギュィーンと音を出したんだろう”
”バァーンって音は重めなのか軽めなんだろうか”とか考えてしまったり、画だけでそのシーンを想像したりする事が苦手だった。おまけにキャラの名前を覚えておく事が得意ではなかったりと、漫画を読むと疲れるという印象を持っていた。
ストーリーを覚えるのもあまり得意な方じゃなかったなぁ...。

アニメは動きがあるのでいろいろ分かりやすいという感じで見ていたけど
『この作者が凄い!』『ストーリーがいい』
みたいな感情であまり見ていなかった気がする。
なので大人になった今も漫画・アニメの話は滅法弱い。

単に集中力の無い子ってだけなんだろうけど。笑

 

音楽も同じ。
「このアーティストは○○(レーベル)っぽいよねー」とか
「○○(レーベル)っぽくない楽曲だよね」とか
「作詞は△△だってー」 「あー、わかる!っぽいっぽい!」とか
あるアーティストのレーベルが変わり楽曲に変化が出てきたとか、ずっと好きなアーティストなどもあまりなく、そういう類で聞いてくる事が少なかったような気がする。
ただ耳に入ってくる聞き心地の良いテンポだったり音だったりで聞いてきて大人になった。大人になって歌詞が良い等は分かってきて好きなアーティストなども出てきたが、上京してよく感じていたのが、こちら界隈でよく話が出る漫画(アニメ含)、音楽に関しては完全に話に入れない感覚があったのを今も覚えている。
実際今もその傾向は少なからずある。

20代前半の若い頃、恋人関係に近い一つ年上の彼がいた。
彼は海外の大学で量子力学を学びアメリカで教授をしていたのだが、その彼と事を致す際に軽いニュアンスで『空気の触れあう速度』的な話をしてしまった事がある。
彼は「それはね....えーっと紙とペンある?」となり、そこから謎の数式を書き出し延々と説明されるもチンプンカンプンで『???』を抱え、事を致さず果てる事なく眠りについた事がある。どうでもいい思い出話だが。


脱線したが、どんな類の分野に関してでもマニア(=ヲタク)の人は目を輝かせながら話をする。その姿は眩しい。目が眩むほど眩しく素敵に見えてしまう。
その気持ちから好きになる事も少なくない。話してるその分野に興味があってその人を好きになるというよりかは、その分野を話しているその人自身に物凄く興味を示してしまう。
「自分の知らない事を活き活きと話している」
「(一部の事であっても)なんて知識豊富な人なんだ」

ある種の劣等感から生まれる感情のような気もするが、1質問したら10返ってくる、みたいな分野を持ち合わせている人は如何なる趣味であっても素晴らしいと思う。

一見普通の見た目で、且つ「なんの得もないような趣味だよ」なんて謙虚な事を口にするような人だと秒で好きになってしまう。笑


あ。好きというのは恋心よりも遥かに尊い『人間的に好き』という感情が強い。
ただ、「素敵だねー」「いい趣味持ってるねー」とかよりも先ず自分がどう思っているのかを伝えたくて、出てくる言葉が前置きなしに「好きだ!」と伝えてしまう事がたまにあるのは僕の悪い癖ではあると思う。
「(一つの事に詳しくて人として魅力的だ!そういう人、僕は)好きだ!」なんだけどいつも感情が先に言葉として出てきてしまう。
でも伝えたくてしょうがなくなってしまう位、尊敬の感情(=好き)が出てきてしまうし、なんならすぐハグもしたくなっちゃうんだよなぁ。。笑

 

ヲタク(という言い方はあまり好きではないが)とまではいかないにしても、自分にもようやく突き詰めていきたいと思えるものができた。公言するような事でもないのでここには記さないが、何か一つをより深く知っていく事はとても面白いと感じている。

 


幾つになっても目を輝かせて話のできる人でありたいな、と僕は思うのでした。